
こんにちは。
スモールジムYell代表トレーナー
近藤です。
さて、人間には「防衛体力(病気になりにくい体)」と「行動体力(体を自由に動かす力)」という2つの体力があります。一流アスリートは、この「行動体力」がずば抜けて高いと感じます。
では、この行動体力を高めるには何が必要か。
私は次の3つが大切だと考えています。
しかも、この順番が重要です
1.全身の柔軟性
2.下肢の筋力
3.バランス能力
まずは「柔軟性」。
ここがすべての土台です。
柔軟性があるということは、各関節の可動域が広く、体を自由に動かせるということ。 体が自由に動くこと。これが何よりも大切だと思っています。
年齢を重ねると歩幅が狭くなっていきますが、それは主に股関節の柔軟性が落ちてくるから。 筋力やバランスがあっても、体が自由に動かなければ、日常生活の中で「動きにくさ」や「不自由さ」が出てきます。
そしてその不自由な動きを補うように、体が勝手に“代償動作”をしてしまうことで、腰痛や肩こり、膝の痛みなどが起こりやすくなるのです。
筋力や体重の影響もありますが、実は肩や胸まわり、股関節や肩甲骨の柔軟性の低下が、痛みの根本原因になっていることが多いのです。
つまり、柔軟性があってこそ、筋力やバランス能力が活きるということ。
基本の柔軟性を無視して、最新の「ファンクショナルトレーニング(機能的トレーニング)」をしても、代償動作ばかりで効果が半減してしまいます。
次に大切なのは「下肢の筋力」です。
この部分は少し意見が分かれるかもしれませんが、私は「体幹」よりも断然「下肢の筋力」が大事だと考えています。
ここでいう「下肢」とは、足だけでなく、股関節やお尻の筋肉まで含めた広い範囲を指します。
人間が「立つ」「歩く」など、基本的な動作をするために最も重要なのが、股関節・膝・足首などを動かす筋肉たちです。
お尻のインナーマッスルや太もも、ふくらはぎ、足首周辺の細かい筋肉、そして靭帯など—— これらすべてがしっかり働いてこそ、上半身の筋力や体幹の力も本領を発揮できます。
下半身が安定していないまま体幹を鍛えても、スポーツの動きにはつながりにくいのです(例外は水泳のような特殊な競技)。
最後に「バランス能力」
筋力があっても、波のように変化する環境に対応するには、体が自然に反応する“反射機能”が必要です。それがバランス能力。
ただし、柔軟性や下肢の筋力が整っていない状態でバランスだけを鍛えても、代償動作による「間違ったバランス感覚」を覚えてしまうことがあります。
つまり、バランス力も土台が整ってこそ本当の意味で活きてくる力なのです。
体を動かす力(行動体力)をつけるには、「柔軟性 → 下肢の筋力 → バランス力」の順で整えていくことが大切です。
これらがそろってくると、トレーニングの効果も上がり、スポーツもより楽しく続けられるようになります。
無理のないステップで、動ける体を育てていきましょう!