
こんにちは。
スモールジムYell代表トレーナー
近藤です。
前回はぎっくり腰についてお話ししましたが、今回は腰痛対策に使われる「コルセット」についてお伝えしたいと思います。
コルセットとは、たとえば腰をグキッと痛めて整形外科に行くと処方される、腰を固定するサポーターのことです。
圧迫骨折などの保存療法や、動くのもつらいほどの重度のぎっくり腰では、このコルセットがとても役立ちます。
ドラクエで例えるなら、HPがギリギリでスライムにもやられそうな“急性期”には、まさに必需品ですね(笑)。
ちなみに、パワーリフティング選手やジムでフリーウェイトをしているマッチョなおじさんたちが着けている「ウェイトベルト」も、重い重量から腰を守るための道具ですが、日常的なコルセットとは少し用途が違います。
さて、ここからは私の個人的な意見も入りますが、「寝るときはコルセットを外した方がいい」と思っています。
理由はいくつかあります。
まず、寝ている間はコルセットで腰を支える必要がないからです。
日中は立ったり座ったりで腰に負担がかかりますが、寝ている間は基本的にリラックスしていて負担は少ないはず。アクロバティックな寝相の方は別ですが(笑)。
次に、血流が悪くなる可能性です。
寝ているときは副交感神経が優位になり、血流がゆっくりになります。
そこにコルセットで圧迫を加えると、さらに血流が滞り、回復の妨げになる恐れがあります。
また、寝ていないときでも注意したい場面があります。
たとえば食後。 食事をするとお腹がふくらみますが、コルセットでギュッと締めつけていると苦しいだけでなく、胃腸の働きを妨げ、消化にも悪影響を与えてしまいます。
食後は外すか、緩めるようにしましょう。
そして、「苦しい」と感じたら締めすぎです。 パワーリフティングの競技中は一時的にきつく締めますが、終わったらすぐに緩めます。
日常生活ではそこまでガチガチに締める必要はありませんので、苦しいと思ったら迷わず緩めてください。
コルセットに頼りたくなる気持ちはよくわかります。
ですが、腰痛が落ち着いてきたら、少しずつ使用時間を減らしていきましょう。
ずっとコルセットに頼り続けていると、筋肉の回復が遅れたり、「また痛くなるかも」という不安が痛みを助長することもあります。
コルセットは「絶対に負けられない戦い!の時、たとえば重いものを持ち上げる作業や長時間の中腰作業などに使う、いわば“お守り”のような存在にできると理想的ですね。
コルセット、いつかは卒業を目指しましょう!